HERZ nagoya | 川井大樹建築設計事務所
名古屋市丸の内にあるオーダー革小物店HERZのショーウィンドウ計画。裏舞台である製作の場そのものを展示するショーウィンドウを目指し、製品・職人・道具の3つが等価に現れる「振る舞い」のあるショーウィンドウを目指した。
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HERZ nagoya

About This Project

 

show window の ドラマツルギー

 

工房を併設した店舗の改装計画である。敷地の名古屋市丸の内は高層ビルが立ち並ぶオフィス街で、店舗はその一角、20階建ビルの地下1階にある。HERZ(ヘルツ)は1973年創業のハンドメイド革鞄の店で、全国に6店舗を展開する。名古屋店は2016年にオープンし、3年が経った2019年にshow window改装計画として本計画が立ち上がった。

 

我々が普段手にするモノは出来上がった製品で、裏舞台である製作の過程はまず見ることができない。HERZは、店舗に併設された工房で革の裁断から成型に至る製作の全工程を受注で行っている。そのため、モノづくりの雰囲気や作り手の想いを肌で感じることが可能だ。さらに接客・アフターメンテナンスも職人が行うことで、作り手と買い手が直接顔を合わせ、共に想いを育むことのできる稀な店舗である。

 

実際私が店舗を訪れた際にも、HERZがもつ潜在的な魅力に心を動かされた。製品だけでなく、手にする道具や材料である革そのものも魅力的であったし、職人の表情や美しい所作は演劇のようにも感じられ、目を奪われたことを鮮明に覚えている。そのため今回の改装においては、HERZのもつ魅力そのものが立ち現われる show window を目指した。

 

 

具体的には、HERZの魅力である「製品・職人・道具」の3要素に対応するよう、「腰壁・垂れ壁・自立壁」の3種の壁を新設している。「腰壁」は製品を展示、「自立壁」は道具を展示する壁であり、同時に不足していた収納量を確保している。「垂れ壁」は強い西日を抑制しつつ、製作する職人が演じる舞台と成るための幕である。新たに挿入された3種の壁によって分節した空間には、それぞれ機能を与え、製作工程に沿って緩やかに連続させた。3種の壁が作り出すレイヤによってできた小さな奥行きに、モノとコトが同時に立ち現れる。

 

また、店舗はピロティを介した地下に位置するため、show windowの奥行きは、見る人の位置や高低差のあるシークエンスの中で見え隠れしながら変化する。見下ろす視点の歩道からは製作する手元の所作が垣間見えるが、階段を降りていくと、腰壁で手元が次第に隠されていく。店舗へ近づくにつれ意識は製品や道具へと移り変わり、革や職人の表情まで鮮明に感じられるようになる。「コト」から「モノ」へのフォーカスの変化が人々の興味を惹きつけ、自然と店舗へと足を運んでくれることを期待した。

 

show windowによって「製作という裏舞台」であった工房が、都市へ開かれることで、店舗の内と外で互いの振る舞いが作用し、都市の片隅で繰り広げられる日常としての演劇を新たに生み出す。小さな奥行きを持った “show” windowが作り出す演劇が、パースペクティブを持って都市に接続されることを期待している。

 

 

 

 

Shop

Place

名古屋市中区丸の内

Construction

Date
Category
Shop